約 1,207,166 件
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/772.html
星に願いを/そらまめ いつか、流れ星を見たい。 夜空を駆ける一線を見つけて、それに向かって願いを込めれば、どんな願いでも叶うと聞いたから。 私の願いは、みんながいつまでも幸せでいられますように。 自分ではどんなに頑張っても叶えてあげられないとわかっているから。自分がいると叶わない願いだと思うから、夢物語のような星に願いを託そう。 「一生のお願いだから! 宿題見せてっ!!」 お昼休み、教室がざわめきで溢れる中、せつなはふとそんな言葉を耳にした。 声の方に視線を向ければ、一人が両手を合わせて友人に頭を下げている。お願いされている方の人が少し怒ったように何かを言いながらその子にノートを渡した。 「ねえラブ」 隣の席で黙々と何かを書いているラブを呼んでみる。視線は机に固定されたままで、「なーにー?」と気のない返事をしてくれた。忙しなく動くシャーペンに、何をしているのかと覗いてみれば、次の時間に提出するはずの宿題を今やっていた。 それは、先ほどのクラスメイトが一生のお願いだと言って見せてもらっていた宿題で、自分は昨日のうちにやっていたものだった。 「その宿題って…」 「んー?」 「命を懸けてまでやるものだと思う?」 「んー……はい?」 ぼんやりとラブを見ながら問いかけてみると、忙しなかった動作をピタッと止めて、机から視線を上げてこちらを向いたラブと目があった。どうしてかわからないが、ラブは何かに驚いたように固まっている。 「どうしたのラブ?」 「いや、どうしたはこっちのセリフだよせつな。なんで宿題に命懸けなきゃいけないのさ…」 「命を懸けたのは私じゃないわ」 と、そこで先ほどの一生のお願いの話をラブにしてみた。 「なんだそういう事か。びっくりしたよ」 「だって一生のお願いなのよ? そんな大事な願い事を宿題に使うなんてよっぽどじゃない。私ならもっと切迫した時に使うと思う」 願いの価値は人それぞれだから、私にとってはただの宿題でも、あの人にとっては人生を懸けたものだったのかもしれない。比べる方が可笑しな話だが、それでも、私ならもっと、それこそ命を懸けるほどの何かをしている時に使うと思う。 「ああいうのは、なんていうか…例えみたいなもので、軽い感じで使ってるかな…あたしなんて結構何度も使ってるよ。お母さんにおこづかい前借りさせてとかどうでもいい感じの事に。んー、改めて聞かれると説明するの難しいな…」 「つまり、ほんとは人生で一番望んでいる事ではないけど、それくらいの低姿勢で頼んでいるから要求をのんでほしいという事?」 「なんかすごいストレートだね!」 「よく言われるわ」 「まあニュアンスはそんな感じ。でも、本当の意味で一生のお願いを使う場面には、遭遇したくはないなー」 「どうして?」 「どうしても、だよ」と言いながらこちらに微笑んでいるラブは、笑っているのに、なぜか泣いているように見えた。 一生のお願い。か… 夜、一人ベランダから夜空を見上げながら、昼間学校でせつなに言われた話を思い出す。 せつなが突然そんなことを言うから、一瞬怖くなってしまった。最悪を、想像してしまった。 軽い感じで使う人は多いけど、せつなはきっと、この言葉を本当の意味の時にしか使わない。冗談を言う子じゃないから。 せつながこの言葉を口にするのは、自分自身の未来を捨てると決めた時だと思う。自分にはもうできない事だから、誰かに代わりにやってもらいたい。普段めったに他人に頼る事のないせつなのお願い。 今の自分達には、そんな事態になるわけないと言い切れない程度には、色々と無茶をしている。プリキュアは遊びじゃないから、命のやり取りをする場面がいつか来てしまうかもしれない。一生のお願いをせつなが使う時は、日常よりもプリキュアでいる時の方が確率は高い。そして、お願いをされるのはきっと同じプリキュアである自分達。 せつなの願いは、多分自分のための願いではないと思う。いつでも他人優先のせつなは自分を数に入れないから。願いを持つ事にすら怯えていそうで、それでも他人のためになら許されるのかもしれないと考えて願う事に、あたしは素直に喜べない。それがたとえ、あたしの幸せを願うものだったとしても。 嫌なんだ。願いが叶ったら、せつなはそこにはいない気がして。 そんな事を思っていたら、視界がぼやけてきた。両眼から零れ落ちそうになる何かをグッと堪えて顔をさらに高く上げる。夜空に光る星がたくさん見えるけど、潤んでいる視界には点のような星が引き伸ばされて線のように見える。 まるで流れ星みたい。 視界からいつまでも消えない流れ星に、願いを込めた。 どうか、せつなの願いは叶いませんように。 我ながら酷いと思う。けど、自分の幸せは自分でゲットできるから、せつなには、せつなのための願いを想って欲しい。 今は無理かもしれない。でもいつか、そうやってせつなが自分を許せる日が来るまでは、あたしはせつなの願いが叶わないように星に祈る。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/260.html
「せつなぁっ!!」 ラブの悲壮な叫びが響く。 「どうして、どうしてなの、せつな」 ラブの問いかけに、せつなが振り返る。 その顔は能面のように、ただただ、無表情で。 「言ったでしょ、ラブ、諦めてって」 「あかんピーチはん、もう手遅れや、諦めなはれ」 見かねたタルトが止めに入る。 「……でも、でも」 尚も食い下がろうとするラブに、せつなは無情の言葉を返す。 「ダメよラブ、これはもう、貴方には渡さない、これはもう、貴方のものじゃないから」 「そんな、どうしてそんなこと言うの、せつな……?」 「貴方がいけないのよ……私の気持ちを分かってくれなかった私が」 せつなが一寸悲しげな表情を浮かべる。 しかしその口から放たれる言葉に含まれるのは、やはり拒絶でしかない。 ダメだ。 ここで諦めるわけにはいかない。 諦めたら、もう二度と手の届かない場所に行ってしまう、そんな気がしたから。 だからラブは、必死の思いを込めて、叫んだ。 「あたしの百円貯金、返してーーーーーーーーーーーーーーっ!」 「あのね、ラブ」 とりあえず正座させたラブを見下ろすせつな。 その手にあるのは、透明のボトルと、その中にある数枚の百円硬貨。 ラブが、彼女の母あゆみにお使いを頼まれた時に、お駄賃として貰ったものを 貯めたものだ。 「返してって、それじゃあ私が取ったみたいじゃない。 自分で持ってるとすぐ使っちゃていつまでもお金が溜まらないから 預かっててって頼んできたのはラブの方でしょ」 「そうだけどさぁ~」 「それをこっそり私の部屋に入って、お金を持ち出そうとするなんて、もう!」 すぐドーナツを買う為にお金を取り出してしまう事を反省して、 せつなに預かって貰うことにしたラブ。 しかしどうしてもドーナツが食べたくなり、せつなが日直で帰りが遅くなる日を選んで お金を持ち出そうとしたのだ。 しかし、ここに二つの誤算があった。 一つ目は、せつなはラブのことになると特に勘が鋭くなること。 学校を出る際に、「日直って仕事多いから時間かかるよ」「遅くなるかもしれないね」などど 妙に時間が掛かることを強調した会話が多かったので何となく妙に感じていたのだった。 二つ目は、せつなの持つピックルン-アカルン。 改めて言うまでもないがその特殊能力は瞬間移動である。 その二つの誤算が見事に噛み合った結果、 今まさにせつなの部屋のボトルを開けようとしていたラブは即座に御用となったのだった。 「とにかく、無駄遣いしない為の貯金なんだから、ドーナツは諦めなさい!」 「でも、それはあたしの貯金なんだからあたしが使いたい時に使う権利があるわけで……」 怒ったせつなは怖いがドーナツは諦められない。 そんなラブが精一杯の抵抗を試みる。 「……何?」 「……いえ、何でもないです」 しかし、せつなの怒りの目線を受けて敢え無く沈黙する。 そんなラブの様子にせつなは溜息。 諭すように語りかける。 「さっきも言ったでしょ、これはもう貴方のものじゃないって」 「え?それってどういうこと?」 そういえばそんなことを言っていた。 しかしその言葉の意味がわからない。 怪訝な顔をするラブに、せつなは表情を一変、笑顔で説明する。 「私もお駄賃のお金を、ラブと一緒に貯めることにしたの。 貯めたお金を二人の為に使えば、それって幸せなことだと思わない?」 「せつな……」 そうだったのか。 せつながそんなことを考えてたなんて。 それなのにあたしってたら目先のドーナツに目が眩んでなんてことを。 なら、私ももう無駄遣いは止めよう。 「せつなっ!」 せつなの気持ちに応えてあげなきゃ。 そう思って声を出したラブは、あるものを見て硬直する。 その視線の先にあるもの。 せつなが手に持つボトルには、前に無かったラベルが貼られていた。 中央に大きいハートマークが付いたそれに書かれていた言葉は。 『ラブとせつなの結婚資金』 「……と言うわけで、これからこの貯金は『私達』のものだから。 二人の未来の為に、精一杯頑張りましょ!」 「……えーっとせつな、それはいくらなんでも気が早すぎるような。 いくら幸せゲットの為だからって、今からドーナツを我慢するのはあたしはちょっと……」 「……ラブ、何か言ったかしら?私の人生設計に何か不満でも?」 問いかけは優しく、しかし目だけは笑わずにせつなが尋ねる。 「……いえ、なんでもないです。二人で幸せゲットであたしちょーうれしー」 そして、返すラブの言葉には全く抑揚が無かった。 「うん、よろしい。じゃあこれは私がしっかり管理するから」 そう言ってアカルンを起動させるせつな。 多分ラブの手の届かないところにボトルを隠すつもりなのだろう。 (……トホホ、あたしのドーナツぅ……) 赤い光が消えると、残されたのは、顔で笑って心で涙を流すラブ。 そんな二人のやりとりを見ていたタルトは、 「なんやピーチはん、今からパッションはんの尻に敷かれとるんか こりゃー先が思いやられるなあ」 やれやれ、と肩をすくめてみせるのだった。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1153.html
ラブ 「○○○の羽を刺してみましたコーナー! 始めるよ!」 せつな「ちょっと、ラブ。これは一体なんの騒ぎなの?」 ラブ 「え~っとね、瞬さんにもらったの。ゲームに使うと面白いんじゃないかって」 美希 「ピキピキッ……そっ、それは……」 祈里 「まさか、ボーリングの時のあれじゃ……」 ラブ 「美希たんとブッキーは知ってるの? 友達と本音で語り合える、ステキなアイテムゲットだよ!」 美祈せ「絶対に騙されてる……」 ラブ 「まずは、ブッキーからね!」 祈里 「えっ、なんでわたしから?」 ラブ 「鳥の羽だもん。動物と言えばブッキーだよね」 祈里 「それ、全然関係ないと思う……」 【祈里のターン!】 祈里 「美希ちゃんって、スタイルいいから何着ても似合うけど、センス無いなって感じることも多いの」 美希 「ガーン!」 祈里 「それに、せっかくモデルさんなのに、特定の色の服にこだわってたら意味ないと思う」 美希 「ううっ、アタシくじけそう……」 祈里 「でも、わたしは美希ちゃんのことが大好きだから、絶対にそんなことは口にしないよ」 ラ美せ「言ってるから……」 祈里 「ラブちゃんって」 ラブ 「ドキッ! なっ、なにかな?」 祈里 「世界中を愛でいっぱいにするって意味で、英語のLOVEなのよね?」 ラブ 「うん! おじいちゃんが付けてくれたの。広く世界に通じますようにって」 祈里 「とっても素敵な名前ね。でも、英語のテストが赤点ばっかりじゃ意味ないと思う」 ラブ 「おっしゃる通りです……」 美希 「次はラブよ。言い出しっぺなんだから」 ラブ 「わかった! 頑張るよ」 【ラブのターン!】 ラブ 「刺したけど、何も変わらないような……」 せつな「やっぱり……」 美希 「そんなはずないわよ!」 祈里 「じゃあ、好きなものと嫌いなものを言ってみて」 ラブ 「う~ん、嫌いなものは、『に・ん・じ・ん』くらいかな?」 美祈せ「少なっ! じゃあ、好きなものは?」 ラブ 「それならたくさんあるけど~、やっぱりせつな! 愛してるぅ~!」 せつな「ちょっと、ラブ。ふざけないで! 恥ずかしいじゃない。やだっ、頬ずりしないでったら……」 美希 「毒吐かない分だけブッキーよりマシだけど、見ていてドキドキするわね」 祈里 「美希ちゃん……。心の声が駄々漏れになってる……」 美希 「あっ、いやっ、違うのよ! これはその……」 【美希のターン!】 せつな「プスッ! 実は美希にも羽が刺さっていたのよ、ブッキー。許してあげて」 美希 「刺さってなかったわよ、せつな。フォローしてくれるのは嬉しいけど、本当に刺したら意味ないでしょ? 相変わらず頭が固いわね」 せつな「へぇ~。かばってあげたのに、そういうこと言うのね、美希」 祈里 「ふ~ん。やっぱり美希ちゃん、素で言ってたんだ?」 美希 「これは違うのっ! 今のは羽の効力で……」 ラブ 「美希たん、ブッキーとせつなのことはどう思ってる?」 祈里 「ズルイ! ラブちゃん、自分のことだけ外してる!」 美希 「ブッキーは、モデルのアタシに負けないくらい、毎日鏡を見て訓練してそうね」 祈里 「ギクッ!」 ラブ 「訓練って?」 美希 「可愛らしい笑顔とか、仕草とか、歩き方のことよ」 せつな「勉強熱心なのね」 美希 「あざといとも言うわね」 祈里 (美希ちゃん、後でお仕置き……) 美希 「せつなはズルイ! 美容もしてないのに肌綺麗だし、スッピンでも超美人だし、処理してないのに無駄○もないし!」 せつな「そんなこと、私に言われても知らないわよ……」 ラブ 「でも、せつなが街を歩いていても、美希たんほど振り向かれないよ?」 祈里 「そう言われてみれば、同じラビリンス生まれでも、隼人さんや瞬さんだと注目浴びるよね」 美希 「せつなはね……身長がないのよ。フッ」 せつな「ムカッ! これから伸びるわよ! きっと……」 ラブ 「最後はせつなだよ!」 【せつなのターン!】 せつな「私、精一杯頑張るわ!」 美希 「ゴメン、アタシは用事を思い出したので……」 祈里 「美希ちゃん、逃げちゃダメ!」 ラブ 「まさか、イースが出てきたりしないよね?」 せつな「みんなのことを語ればいいのね。行くわよ」 祈里 「ちょっと怖いけど、せつなちゃんの本音って興味あるね」 美希 「ガクガクブルブル……」 せつな「ラブも、美希も、ブッキーも、大好き。私にとって、自分の命より大切な人よ。みんなに出会えて、本当に良かった」 ラブ 「あっ……あはは、いやぁ、照れちゃうね」 美希 「茶化してごめんなさい。アタシも、同じ本音でも、もっとちゃんとしたこと言えばよかったな」 祈里 「これがせつなちゃんの本音なんて……。わたしも大好きよ!」 ラブ 「これでお開きだね。あ~楽しかった!」 せつな(ラビリンス生まれの人間には効果ないのよって、言うタイミング逃しちゃった。冗談って難しい……)
https://w.atwiki.jp/love_plus/pages/133.html
新スポット ラブプラス+ではいくつかの新スポットが追加されていることが判明しています。 (執筆中)
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1639.html
かおすの140文字SS【9】 1.まじめなの/かおす フレプリ小咄 「せつな~、瞬間移動お願い~~!」 「いいわよ」 「せつなさん、瞬間移動お願いしていい?」 「いいわよ」 「せつなー、どこでもドアお願い♡」 「イヤよ!」 「...ワープ..」 「イヤ」 「…瞬間移動お願いします~♪」 「いいわよ♡」 2.えりかのささやき エ●キュア/かおす ハトプリ小咄 「は! えりかさん!」 「そんなにけーかいしないでよー」 「で、でも…」 「あれ? そのスカートのスソはそうはならないよ」 「え?」 「だってココにドレープが入るでしょ? てことわあ」 「ふむふむ」 「うわ、こ、これって…!」 「えりかはどこなの?」 「宿題するそーでしゅ」 3.ラビリン酢/かおす ヒーアニで小咄 「ラビリンがふたりになったらラビリンスだ!」 「ふたりになってもラビリン『ズ』ラビ」 「じゃあ、これをラビリン酢と名付けたらどうだ?」 「名付けてなんとかなるぺえ?」 「トビラがひら…」 「開くわけないラビ!」 4.ラビリン巣 ヒーアニで小咄2/かおす 「ラビリンの布団だ!」 「ラビリン巣ペエ」 「まだやるかラビー!?」 「あんた達~何やってんの?」 「ひなたか、今ちょっと大事な儀式を..」 「いつのまに儀式になったペ?」 「おお~扉が開くぜー」 「ただいまー」 「のどかペエ」 「ラビリン何疲れてるの?」 「イケニエになってたみたいだよ~」 5.スタンド使い @ガルパントーク/かおす 「やよいさん」 「あ、ドキプリのありすさん」 「…とうとう知波単にもプリキュアのスタンド使いが誕生したわ」 「ええ。あとはBC…」 「あれ?ありすー」 「みゆきさん♪ ごきげんよー」 「なんだったのー?」 「えへ」 「ニシズミちゃんもつれないねー」 「は?」 「なんでもなーい あははは」 6.スタプリ小咄/ どろぼう猫/かおす 「なんにゃ..」 「これ本物ルン?」 「ふぎゃ~!尻尾握るにゃー!」 「お耳もかわいー」 「ふにゃ!よすにゃ!」 「あーあ、あんな高いところ上っちゃった」 「ユニーまたたび!」 「あ、頂きにゃ!」 「持っていっちゃったるん」 「猫だねー」 「どろぼう猫ルン」 「それは意味が違っちゃうから…」 7.スタプリ小咄 配慮/かおす 「どろぼう猫って、怪盗そのまんまルン」 「まだその話し続けるの~?」 「プルンスの出番でプルンス! どろぼう猫って言うのは話せば長く…」 「だったらいいルン AI!」 はい。どろぼう猫、地球においてぴーーー 申しわけありません。年齢規制です 「ここは強行突破だー!」 「だめルン」 8.スタプリ小咄 ひかるはひかるルン!/かおす 「ひかるの特徴はその触覚ルン!」 「これはアホ毛っていうんだって」 「すごいネーミングにゃ」 「AI,なんでアホ毛ルン?」 ただ今メンテナンス中です 「ひかるは怒らないルン?」 「なんでー?」 「意外と器が大きいよね」 自己の肯定がプリキュアの魅力です 「AI,メンテ終わったルン?」 9.おめぐみを♡/かおす ハピプリ小咄 「海の恵みに山の恵み、天の恵みに愛の恵み」 「めぐみばっかなんかずるい…」 「おめぐみを♪…とか」 「うわーうわーうわーゆうこ、なにそれ」 「ひめ、落ち着きなさい」 「だってあたし、こんなの聞いたことないー」 10.りんちゃん♪/かおす 5で小咄 「りんちゃん意外と出番少なくない?」 「のぞみ~あたしはいいよ」 「りんとしてるりんちゃんってステキだよ~!」 「ほらきた」 どん 「うらら…何よそれ」 「みりんで~す」 「だからやなんだってばー」 「あんなところにキリンが」 「いるかー!」
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/117.html
-おかしい。 あたしはジュースを飲みながら、目の前でドーナッツを食べる二人の少女を眺める。 今日は久しぶりのダンスの日。といっても、みゆきさんはお仕事でここにはいない。 今日はあたしたち4人の自主練習のようなものだ。 お盆とかいろいろあってしばらくお休みしてたけど、 夏合宿で新しい振り付けも覚えたことだし、 新学期が始まる前にみんなで合わせよう、という事で集まった。 今はちょうど休憩中で、みんなでカオルちゃんのカフェでドーナッツを食べている。 ダンスは久しぶりだけど、夏休み中みんなで集まる機会は多かった。 夏祭りだって行ったし、ついこの間も4人でお買い物に出掛けたばかりだ。 その時はいつも通りだったはず。それなのに-。 「はい、せつな。あたしのチョコドーナッツ、半分あげるね!」 「ありがとう、ラブ。じゃあ私のメロンドーナッツも半分食べてくれる?」 「もっちろん!・・・はい、せつな。あ~んして?」 「ラ、ラブ。こんなところで・・・。みんなが見ているわ。」 「・・・せつなは、あたしにドーナッツ食べさせられるのは、いや?」 「そ、そんなことあるわけないじゃない!・・・じゃ、じゃあ、私もラブに食べさせてあげるわね?」 「やった~!はい、せつな。あ~ん!」 「はい、ラブ。・・・あ~ん。」 「モグモグ・・・。ん、おいしい!せつなに食べさせて貰うと一段とおいしく感じるよ!」 「そう?よかった。ラブの食べさせてくれるドーナッツも、とてもおいしいわ。」 「なんたって愛情た~っぷりだからね!モグモグ。」 「ラブ・・・。ありがとう。」 「ん?急にどうしたの、せつな。」 「私、知らなかった。ラブにドーナッツを食べさせて貰うことが、こんなに幸せなことだったなんて。」 「おおげさだよ、せつな。あたしは自分のやりたいことをやっただけだよ。」 「ううん。ラブは私にまた一つ幸せを教えてくれた。だから今度は私が、ラブを幸せにしてあげたいの。」 「えっ?」 「今夜の晩御飯は、私がラブに食べさせてあげる。・・・ダメ?」 「ほ、ほんと!?やった~!今夜も幸せゲットだよ!」 「うふふ。ラブったら。」 「・・・ね、せつな。」 「なぁに?ラブ。」 「ううん。呼んでみただけ。」 「そう・・・。あ、あのね、ラブ。」 「なに?せつな。」 「・・・ううん。私も、呼んでみたかっただけ。」 「せつな・・・。」 「ラブ・・・。」 ずっとこの調子だ。 同じようなやりとりを、さっきからずっと見せつけられている。 あたしとブッキーの姿なんて視界に入ってないに違いない。 完全に二人の世界だ。 はぁ、と呆れて横をみると、ブッキーが二人に釘付けになっている。 もう氷しか残っていないグラスの中身をひたすらストローですすりながら。 さっきからズズズッスースーと品のない音が響いている。 その事にあたし以外、ブッキー本人さえも気付いていないようだ。 目線は完全に二人に固定されている。その顔はお面を付けているみたいに無表情だ。 はぁ・・・。何なのよ、これは・・・。 一体全体、何がどうなってこうなっちゃったワケ? この場で唯一まともな思考を保っているあたしは、頭を抱えてうずくまっていた。 ちょっと前まで、ラブとせつなの間には少し距離があった。 ラブと言えば、「”友達”のせつなはねぇ、」とか、「せつなは”友達”だからさぁ~。」とか、 不自然なくらい、せつなに対して”友達”という言葉を強調していた。 泳いだ目でそう言う彼女の態度は、傍から見ればあきらかにおかしかった。 対するせつなは、最近物思いに耽る事が多かった。 物憂げに瞼を伏せ、じっと考えこんでいたかと思えば(※1)、 急にハッと顔を上げて(※2)両手で顔を覆い、力なく首を振る(※3)。 イースだった頃の事を思い出しているのかもしれない。 そう心配して、彼女にあれやこれやと話しかけて気を紛らわせようとしたものだ。 ※1・・・「ラブ?どうしたのこんな夜更けに・・・。泣いてるの?どして?あっ!ラ、ラブ!」 ※2・・・「わ、私も!私も、ずっとラブのことが好きだったの!ラブ・・・嬉しい・・・。」 ※3・・・「は、恥ずかしいわ。でも、ラブになら・・・。私の全部、見て欲しいの。お願い。優しく、して・・・。」 ブッキーもそんな彼女に気が付いたのか、せつなに対して過剰とも言えるようなスキンシップをとるようになった。 消極的なあの子がこんな行動に出たのは予想外だったが、 心の優しいブッキーが、悩んでいるせつなを放っておけない気持ちは良く理解できた。 せつなの世話を焼いているブッキーは本当に生き生きと輝いていて、人の為にそこまで頑張れる彼女を眩しく思ったものだ。 ラブもせつなも、あたしやブッキーに対しては普段通りの態度だった。 余所余所しくなるのはラブとせつなが二人でいる時だけ。 珍しくケンカでもしたのかしら。でも一緒に住んでいるんだし、そのうち仲直りするわよね。 あたしはそんな風に楽観的に考えていた。 それが。 どうしたらここまで真逆になっちゃうわけぇ? 椅子を寄せ合ってぴったりとくっついて座る彼女たち。 その姿はどう見ても事後- って、そ、そんなわけないわよね。女の子同士なんだし。 二人に当てられて、あたしの頭までおかしくなってしまったようだ。 そして、それを見つめるブッキーの目には生気が感じられない。 もはや氷すらなくなった空のグラスを無表情にストローで吸い続ける彼女の姿は異様だった。 そんなブッキーの姿にも気付かず、ひたすらイチャイチャラブラブしている二人。 はぁ・・・。あたしは本日何十回目かのため息をついた。 ダンスの方は問題はない。 踊り始めると、せつなとラブは驚くほど息のあった動きをみせる。 無表情だが、それに合わせて動くブッキーも体のキレはいい。 むしろ鬼気迫るものすら感じる。ラブの動きを寸分の狂いなくトレースしているかのようだ。 あたしは相変わらず完璧に動いてみせるし、結果的に4人の呼吸はあっている、と思う。 問題は、踊っている最中にラブとせつながやたらとお互いを見ている事と、 ブッキーに一切の表情がない事。これが一番気がかりなんだけど・・・。 最初、彼女に会った時は普通だった。 「美希ちゃん、おはよう。」 そう言って微笑む彼女は、今日をとても楽しみにしていたようだ。 しばらく二人で他愛もないおしゃべりをしながら、ラブとせつなが来るのを待っていた。 おかしくなったのは二人が来てからだ。 「ごめ~ん!美希たん、ブッキー!待った?」 そういって走ってくる彼女の手は、並んで駆けてきた少女の手と繋がっていて。 それを見た途端、ブッキーの顔から一切の表情が消えた。 「おはよう、ラブちゃん。・・・せつなちゃん。」 -あたしは何故だかその声に、薄ら寒いものを感じてしまった。 それからは何を話しかけても、 「私、信じてる。」だとか、「私、信じてた。」としか言わない。 まったく会話が成り立たない。 そんなブッキーにも気が付かないのか、ラブとせつなは二人でひたすら見つめ合っている。 たまにあたしが話しかけると普通に会話が返ってくるんだけど・・・。 「でね、美希たん。やっぱりあたしはこっちかなって。」 「ふふ。ラブらしいわね。」 やっと普通の会話が出来た事に少しホッとするあたし。 そのラブの横顔を、潤んだ瞳でじっと見つめているせつな。 「ん?どうしたのせつな?」 それに気付いたラブがせつなの方を向くと、せつなは顔を赤らめて俯いてしまった。 「ううん。なんでもないの。」 「え~。気になるなぁ。教えてよ~。あたしの顔に何かついてた?」 「え、えと、そうじゃなくて・・・。あ、あのね。ラブの・・・横顔を見てたの。」 「ふぇ?あたしの横顔?」 「うん・・・。正面から見るラブの顔もとっても好きなんだけど。・・・横顔も、素敵だなって。」 「や、やだなぁ。何言ってるのせつな。そんなこと言われたら照れちゃうよ。」 「でも、本当にそう思ったから。へ、変なこと言ってごめんなさい。」 「ううん。せつなにそう言ってもらえて、あたしとっても嬉しいよ!でも・・・。」 「でも?」 「やっぱり、こうして正面からせつなに見てもらえる方がいいかな?あたしもせつなの顔が見れるしね!」 「ラブ・・・。」 「せつな。俯いてると、せつなの顔が見えないよ。ね?あたしにせつなの顔、みせて?」 「ラ、ラブ。何だか恥ずかしいわ。」 今まで散々見つめ合っておいて、今更何言ってるのよこの子は・・・。 「せつな。あたしはせつなの顔が見れないと死んじゃう病気かもしれないんだよ?」 ラブ。そんな病気ないから。 「い、いやよ!ラブが死んじゃうなんて!そんな・・・そんなの!」 せつなも真に受けるんじゃないの。 「だから、ね?顔を上げて?」 いや、だからさぁ・・・。 「わ、わかったわラブ。私、精一杯頑張るわ!」 そんなことで頑張られても・・・。 「やっとせつなの顔が見れたね。また一つ、幸せゲットだよ!」 ちょっと前まで死ぬほど見てたじゃない。どんだけゲットしてんのよ。 「ラブ、私も幸せ・・・。」 ああ、もう。 「私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる・・・。」 ブッキー、あなたはちょっと黙ってて。怖いから。 そんな感じで久々のダンスレッスンの時間は過ぎていった。 結局、あたしがまともに会話ができたのは最初のブッキーとだけ。 ラブとせつなはお花畑に行っちゃってるし、二人が来てからブッキーも別の世界へと旅立ってしまった。 「私・・・信じてた。」 ていうか怖い。怖いよブッキー。 はぁ~。また一つ、大きなため息をつく。 こんな調子で大丈夫なのかしら・・・あたしたち。っていうか、この状態っていつまで続くの? あたしは固まってる三人をちらりと見ると、こみ上げてくる頭痛に頭を抱えたのだった。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/13.html
ラブ「ごめんね、みんな。」 美希「呼び出しといて何よいきなり。」 祈里「どうしたの?何かあったの?ラブちゃん。」 せつな「ラブ暗いよ・・・。どして?」 「夏休みの宿題ぜーーーーーーーんぜんっ手付かずぅぅぅぅぅ!!!!!」 三人(ポカーン、、、) ラブ「あはっ。。。申し訳m(__)m」 せつな「何で誤っているの?わからないわ。」 祈里「くすくす。お腹痛いよラブちゃん♪」 美希「呆れた、、、。帰るよブッキー。せつなもおいで。」 ラブ「ちょ、ちょ、ちょ!!!ちょーいまてェ~」 バタンっ ラブ「何もタダで手伝ってとは言いませんよ。無論、お礼も超超豪華☆キラッ」 せつな「何かくれるの?プレゼント?私嬉しい。」 美希「コラコラ。騙されちゃダメよせつな。」 祈里「でもラブちゃん困ってるみたいだし・・・。」 ラブ「さっすがブッキー。私、涙出ちゃう(ウソ」 美希「もう・・・、二人ともお人好しすぎるの。こんなのラブのためにならないのよ?」 祈里「まぁまぁ美希ちゃん(苦笑」 せつな「で、私はどうすればいいの?」 美希「話はやっ!」 7 :名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 22 18 40 ID mKEnNrKx ラブ「みんなで手分けしよう、そうしよー♪」 祈里「じゃあ私は作文かなー」 せつな「この計算式なら私出来ると思う」 美希「ったく。私は一番難しいのじゃない(身近な物のデッサン」 ラブ「助かりますです。。。私は日記担当!」 せつな「過去の事とか覚えているの?」 ラブ「感w」 ~数時間後~ 美希「終わった~!めちゃくちゃ疲れた。。。」 せつな「数字書きすぎて腕が痛いわ・・・」 祈里「頭の中文章だらけ、、、」 ラブ「全部曇りにしちゃったwww」 祈里「あ!ラブちゃん、私たちのお礼って何?」 美希「いけない!忘れるトコだった。」 せつな「ドーナツかしら?」 ラブ「コホンっ。驚くなかれー」 「チューしてあ・げ・る♪」 美希「な…ι」 祈里「え!?えぇぇぇ!?」 せつな「?それって日本の伝統なの?」 ラブ「そです。」 美希・祈里「んな訳あるかーい」 お粗末!初めてのパロでしたw
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/307.html
「それじゃ、またね」 「ラブちゃん、せつなちゃん、バイバイ」 「うん、またね」 「バイバイ、美希、祈里」 帰途につく二人を、私はラブと一緒に玄関先で見送る。並んで帰る二人の背中が角を曲がって見えなくなる頃、 私はブルッと体を震わせた。 赤い、赤い夕焼け空。 秋が、深まり始めている。寒さも、少しずつ。 「せつな、大丈夫?」 「え? ええ、平気よ。少し、寒かっただけ。早く家に入りましょ。風邪ひいちゃうわ」 ラブの心配そうな声に、私は笑って家に入ろうと促す。 だが、彼女はとても真剣な目で私を真っ直ぐに見つめてきていて。 「そうじゃないよ、せつな」 一度、首を横に振って放たれたラブの台詞に、私は何も言えなくなる。 ラブは、不思議な子だ。普段は明るくて元気で、呑気な子だけれど、時にとても鋭い。今も、そう。私の 違和感に、気付いたのだろう。隠そうとしていたのに。 「――――とにかく、上がりましょ。本当に、風邪ひいちゃう」 続きは、私の部屋で。言外にそう匂わせると、ラブはゆっくりと頷いた。 秋に愁いて 『せつな/SETSUNA』と書かれたプレートのかかったドアを開けて、部屋に入る。 ベッドの上にせつなが腰を下ろすと、当然のようにラブはその隣に座ってくる。肩が触れんばかりの距離で、 横顔を見つめてくる彼女の視線を感じながら、せつなは膝の上で組んだ手を見つめた。 「それで? どうしたの?」 「ん・・・・・・」 言葉を濁し、こちらを見てこないせつなの姿に、ラブは憂いに眉を曇らせた。 時折、彼女がこうした表情を見せることに、ラブは気付いていた。 何かに耐えるように口をつぐみ、睫毛を震わせるその顔を見る度に、彼女は胸が苦しくなる。隠そうとして いるから、気付いていない振りをしていたけれど。 せつながそんな顔を見せる原因を、ラブはうっすらとではあるが、勘付いていた。 きっと彼女は、イースだった頃のことを思い出している。思い出して、苦しんでいる。 生まれ変わったといっても、傷跡は消えない。心の傷であれば、なおさらに。 その回数は、時の経過とともに徐々に減ってきているとはいえ、未だ消え去ることが無い。ラブは思う。 悲しいけれど、こればかりはせつなの心の問題で、アタシには支えることしか出来ないんだ、と。 そして、今も。 せつなは言葉を探すように、じっと自分の手を見つめている。膝の上でギュッと握り締めた、自分の両の手を。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 沈黙。重く肩にのしかかるそれに、ラブはやがて自ら口を開いた。 「ノーザ、って人のこと?」 っ。 ビクッ、とせつなの肩が震えるのを見て、ラブはやっぱり、と心の中で頷く。せつながおかしくなったのは、 彼女が現れてからだ。もちろん、おかしくなったと言っても、美希や祈里の前ではいつも通りに振舞っていた。 けれど、ラブの眼は――――いつも一緒に、一番近くにいるラブの眼は、誤魔化せない。 「怖い・・・・・・の」 「え?」 せつなの呟きは、あまりに小さく、弱々しく。思わずラブは、聞き返してしまう。 「怖いの――――ノーザが」 今度は、はっきりと。せつなは、恐怖を口にする。言葉を失い、彼女を見つめるラブは、気付く。せつなの体が、 カタカタと微かに震えていることに。それは決して、寒さのせいではなく。 「私は、知ってる。ラビリンスの最高幹部、ノーザの力を」 カーテンの開いた窓の外を、せつなは見つめる。その目は、夕焼けの紅を受けて、常よりも赤く染まっている。 まるでかつての姿、イースの頃のように。 「けど、今日だって何とかなったじゃない。ソレワターセだって、倒すことが出来たし」 「あんなものじゃないのよ、ノーザの力は!!」 慰めるように言ったラブの言葉は、せつなの激しい拒絶に合って。息を飲む彼女、だがすぐにせつなは 我に返る。 「ごめん、大きい声、出しちゃったりして」 「ううん、大丈夫だよ」 ぎこちなく笑うラブの顔を目の端で捉えながら、せつなは胸の中に生れた重さを持て余すように、再び窓の外に 目を向ける。 その視線の先に見るのは、辿られた記憶。 せつなが、総統メビウスのしもべ・イースとして戦っていた頃。 ノーザの名前は、味方の間ですら恐怖と共に囁かれていた。彼女が歩いたその後には、命という命が根こそぎ奪われてしまっている、と。 一度だけ、イースもノーザの戦いぶりを目の当たりにしたことがある。 それは、蹂躙という言葉ですら優しく思える程の、圧倒的な力での制圧であった。 高笑いと共にFUKOを刈り取るその様は、いっそ異様とすら感じられて、味方であるにも関わらず、イースは 彼女のことを恐ろしく思ったものだった。 そのノーザと、今度は敵として向かい合わなければならない。 思うと、せつなの体は自然と震えてしまって。 「さっきも言ったけれど――――ノーザの力は、計り知れない。とても、強い」 だからこそ、淡々とせつなは事実を口にする。これから戦う相手のことを一番知っているのは、自分なのだから。 「今日、勝てたのだって、シフォンのお陰だし、そんな偶然が何度も続くとは思えない」 ギュッ、と手を強く握り合わせる。口にすればする程に、恐怖が体の隅々まで染み渡っていくよう。 「私達、このままじゃ・・・・・・」 負けてしまう。 最後の言葉を飲み込んだのは、耐えられなくなったから。不安に震える心は、すでに、萎縮しきって しまっていて。 ノーザ。ラビリンスの最高幹部。総統メビウスに、もっとも近い人間。人のFUKOを蜜の味と言い、 幸せを壊すことを何よりも楽しむ女。 そんな彼女が敵として現れてしまった。私は――――勝てる気が、しない。 「せつなの部屋、さ」 不意に放たれたラブの声が、自らの内に向けられていたせつなの意識を引き戻す。そして、困惑させる。 部屋? 私の部屋が、どうしたの? 「だいぶ、せつなのものが増えたよね」 あの鉛筆とか、あの本とか。あ、あの服もそうだよね。一つ一つ、指差しながら、ラブは言う。 「それが、どうしたの?」 「最初は、アタシと一緒に買い物に行ってもさ。ほとんどアタシが選んで買ってあげたんだよね、せつなのものって」 この家に住むことになってすぐの頃のことだろう。確かに、この世界に必要なものを教えられながら、選んで 貰ったことを彼女は思い出す。 「うん、そうだけど・・・・・・?」 戸惑いながら頷くせつなの顔を見ながら、ラブは、でもね、と続ける。 「今は、違うでしょ? アタシと一緒にお店に行っても、せつなは自分で欲しいものを選んでる。鉛筆一本だって、 せつなが可愛いと思ったものを買ってる。そうでしょ?」 「え、ええ。けど、それがどうしたの?」 ノーザの話、だった筈だ。なのにどうして、ラブはこんなことを言っているのだろう。 「うん、だから、だんだん本当に、この部屋はせつなの部屋になっていってるんだなぁ、って思って」 「私の部屋?」 「そ。せつながこの家に来た時は、この部屋は空き部屋だった。けれど、せつながここで暮らすようになって、 段々とせつなの色に染まってきてるんだよ」 ホントの意味で、ね。そう続けて、ニコリとラブは笑う。 それを聞いて、せつなは思い出す。 この部屋を与えられた時、せつなは自分だけの部屋が出来たことが嬉しかった。私の部屋、私の机。 それが何だか、宝物のように思えた。 けれどそれはまだ、何色にも染まっていないまっさらなものだった。 改めて、せつなは自分の部屋を見渡す。 ラブの父親に作ってもらった机に並ぶ本は、彼女の教科書と、彼女が選んで買った本。 ベッドの脇に置かれたぬいぐるみは、祈里と一緒に行ったファンシーショップで可愛いと思って買ってきたもの。 ハンガーにかけられた服は、美希と行った服屋で買ったんだっけ。 そっか、と改めて気付く。 あの頃、まっさらだったこの部屋が今は、染められている。 東せつなという人間がここで暮らしていることで、私という色に染まってきているんだ。 「この街だって、そうだよ。皆、せつなのことを知ってる」 確かに、一人で街を歩いていても、よく声をかけられるようになった。ラブと一緒にいなくても、この街の 住人だと認めて貰えていることを、肌で感じることが出来る。 「皆ね、せつなのこと、大事に思ってるんだよ。それはね、せつなの色に、染まってきてるからじゃないかな」 「私の、色に?」 「そう。そう思うとさ――――とっても、大切なものに思えてこない?」 穏やかに、ラブは笑う。笑って、言う。 その言葉に、せつなは改めて部屋の中を見回す。私が選んだ、私だけのもの。私の机。私の部屋。 私の街。 「うん――――大切」 隣に座るラブに目を向けて、せつなは一つ、頷く。 「じゃあ、美希タンや、ブッキーのことは?」 「大切よ」 「タルトは?」 「大切――――アイスを勝手に食べなければ、ね」 「じゃあ――――シフォンは?」 ああ。せつなはようやく、納得する。 どうしてラブが、こんな風に言ってきたのか、それが判って。 「もちろん、大切よ」 はっきりと言い切る彼女を見て、ラブは目を細めて満面の笑みを浮かべる。そして、 「大切なものだったらさ――――守らなきゃだよね」 「ええ」 二人は顔を見合わせて、ゆっくりと頷き合う。 「ノーザは、確かに強いけどさ――――アタシ達、勝つ為に戦ってるわけじゃないよ」 せつなが忘れていたことを、ラブは思い出させるように言う。 「アタシ達が戦うのは、大切なものを守る為だよ。そう考えたらさ」 もっと強くなれる気がしない? 微笑むラブの顔は、窓の外から差し込む夕焼けに赤く染まって、とても綺麗で。 頷きながら、せつなも微笑む。 守る為。そう、大切なものを守りたい、その思いがあれば、ノーザなんて。 いつの間にか、体の震えが止まっていたことに、せつなは気付く。 ノーザの力は圧倒的で、計り知れないかもしれないけれど――――守る為になら、もっと強くなれる。 インフィニティを、ではなく。 シフォンを。 そして、この街を。この部屋を。この暮らしを。 守る。守るんだ。絶対に。せつなは、そう心に誓う。 「ありがと、ラブ」 「えへへ」 感謝の言葉を口にすると、ラブは照れ臭そうに笑いながら、頬をかき、そして勢い良く立ち上がった。 「さ、そろそろ晩御飯の準備だよ。せつな、手伝ってくれるよね?」 「ええ、もちろん」 そして部屋を出ようとしたラブが、不意に立ち止まり、振り返る。 「どうしたの、ラブ?」 「さっき、聞き忘れてたんだけど」 少し悪戯っぽく笑いながら、彼女は問いかけてくる。 「ね、せつな――――アタシのことは?」 判ってる癖に。とは、口にしなかった。 ただ、せつなは一度、クスッと声を上げて笑ってから答えたのだった。 「とっても、大切よ」 一番大切な、私の、親友。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1149.html
せつながラビリンスに再び旅立ってから半年が過ぎた。 あれから半年…… 夏休み、せつなは一時的に帰省してラブと四ツ葉町を探索している。 ブッキーや美希も誘ったのだが今日はどうしてもだめらしくクローバーの再会はまた明日となった。 2人は商店街やかおるちゃんのドーナツ屋、色々な所を巡り… それからラブとせつなは色々な場所を巡りたどり着いたのは…… 「懐かしいわね。」 「うん…」 そこは1年前せつながイースとしてピーチと最後の決闘をした森だった。 「1年半前この先の館で私とせつなが出会った。」 「そして1年前この場所で私はプリキュアになった。」 そういって2人はあの怒涛の1年間を振り返る。 出会い、決闘そして別れまで、いくつもの思い出が2人の中を駆け巡る。 「でも、正直今でも分からないの……」 そういって少し目を伏せる 「どうしたのせつな?」 そんなせつなを心配そうにラブが覗き込む。 「私はあの時、あれだけの事をしてしまった。なのにアカルンは何故私を選んでくれたの?」 それに対して少し悲しそうな顔をするラブ 「せつな……」 「もちろんプリキュアになれた事はとても嬉しく思っている、みんなのために精一杯頑張れて幸せゲットだったわ。」 「笑顔の素晴らしさを知り、罪滅ぼしとは言え、それを守る事で私は変われた。」 「そのおかげでラブと一緒に戦えて今もこうしていられるし。」 そういって繋いだ手を少し強く握る。 「でもたまに思う事があるの、それって結果論なんじゃないかって。」 「アカルンは本当はあの時ミユキさん、ううんそれでなくても他の誰かを選ぶべきだったんじゃないかって。」 「あの時の私にはプリキュアの素質、ううん資格なんて無かったはずなのに……」 「うーん、アカルンがせつなを選んだ理由かー」 そういってラブは考える様な仕草をして 「本当の理由はアカルン本人に聞かないと分からないかもしれないけどー。」 次の瞬間。 「よーし。」 そういって繋いでいた手を離し、笑顔でせつなの前に立つ。 「どっどうしたのラブ?」 当然驚いたような声を上げるせつな。 「じゃあ私がアカルンの代わりにアカルンになった気分で答えてあげるね」 「え、ええー」 ラブのあまりに斬新な提案にせつなも思わず間抜けな声で反応してしまう。 「えーっと私はプリキュアの妖精アカルンだキー」 あまりに片言の口調で答えるラブにせつなが苦笑して 「もうラブったら無理して口調までそんなにしなくてもいいわよ。っていうかみてるこっちが恥ずかしいわ。」 せつなの的確な突っ込みに対してラブがバツが悪そうに笑うと 「こっこほん。そっそれじゃあ気を取り直して」 咳き込んで、それでもなお優しい口調で 「ねえせつな、あなたは確かに1年前間違った事をし続けた。でもそれをし続けた理由は何故?」 責める訳ではなくあくまで優しく問いかける口調でラブが質問する。 「そっそれは……」 答えられずに目をそらすせつな。 「ごめんなさい……」 自分の悪行にどんな理由をつけても言い訳になる。 ならばただ過去の悪行を詫びようと考えての反応。 せつならしい反応だった。 しかしラブは 「自分の気持ちから逃げちゃダメ、お願い自分の気持ちと向き合って。」 ラブの気持ちが伝わったのかせつなは意を決したようにうつむいたまま語り始める。 「全てはメビウス様のために、私たちはそう言っていたわよね。」 「あの言葉に嘘は無かった。実際……私、ラビリンスにとってメビウス様の存在がすべてだった。」 「メビウス様の為ならどんな犠牲も正義そう信じてFUKOを集め続けていた。」 「私のせいで苦しんでいる人達を見ても、メビウス様の役に立てるのだから喜ばしい事だってずっと思っていた。」 「ラブと出会うまでは……」 そういって顔を上げ迷いのない顔でラブの目を見つめる。 「ラブと出会ってからは正直もう何が何だか分からなくなっていた。」 「正直今まで自分が正しいと信じていた生き方を否定されるような衝撃を何度も受けた。」 「そこからはもう訳が判らなかった。」 「ラブを見てると本当の幸せって何だろうって何度も自問自答させられた」 「でもこれまでの過ちを認める勇気も無かった私はラブが気付かせかけてくれた違和感を認める訳にはいかなかった。」 「後は何かを否定するように自分の自尊心を維持するために暴れまわっていた。」 「あはは、こうして見ると本当にいいとこ無しだったわね……私。」 そういって自嘲気味に笑う。 「うん、やっぱりアカルンがせつなを選んだ判断は間違ってなかったんだね。」 ラブの意外な言葉にせつなが驚く 「どっどうして、今の話じゃ私自分勝手な人じゃない。」 「たしかにせつなは幸せの意味を間違えて悪い事をした。でもその時のせつなにはそれが最善の判断だと思ったんだよね?」 だまってうなずくせつな 「ボタンをかけ間違えちゃう事は誰にだってあるんだよ。でも今自分の信じている幸せの為に精一杯頑張る気持ち自体は悪い事じゃない。」 「でも私はラブを裏切った。幸せの素をくれたのに騙そうとしてそれを踏みにじった。」 「でもさ、その時せつなは必至に幸せを探していた。でもその幸せが判らなくなってパニックになっちゃったんだよね。」 「でも、本当の幸せを求める心があればあとは誰かが愛をあげれば幸せに向けて歩きだせる。」 「その愛をあげるのが少し遅くなっちゃったね。」 そういってゆっくりせつなを抱きしめる。 (ありがとうラブ、みんなそしてアカルン。私をプリキュアにしてくれてそれから愛を教えてくれて) 誰に言うでもなくそっと心の中で語りかける。 「あーアカルンがせつなを選んだ決定的な理由が分かったー」 「え?なっ何?」 「この抱きしめごこちの良さに目を付けたんだよきっと」 「もうそんな訳ないでしょ。」 「いーや、この感触は私のプリキュアレーダーが反応してるよ。」 「もうあいかわらずなんだからー」 そんな2人の少女のやりとりを上からのぞいている赤い影が…… (ありがとう私の気持ちに気付いてくれて)
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/385.html
「苦薬も恋人にかかれば甘し」/SABI 平日の朝に目が覚めた時、学校に行かなくてこのまま寝ていたいって、誰しも必ず一度は願うだろうこと。 でも、その願いが現実のものになったとしても、 外に出ることができなくてしかも誰にも会えないのでは、願いが叶ったとはいえないかもしれない。 水曜日の夜に発熱して、翌日お医者さんに行ったら、数日は絶対安静と宣告された。 それから二日間、感染病だからって、自分の部屋に隔離されている。 昨日と一昨日、美希たんとブッキーがお見舞いに来てくれたけれど、 二人に病気をうつしちゃいけないから、あたしの部屋に入らないで帰ってもらった。 何もできないって、本当に退屈で仕方ない。 勉強は得意でないけど、授業を受けていた方が余程ましというものだ。 部屋の中で出来そうなことは、一日目から試した。 ダンスの振り付けを覚えたり、本を読んだりしたけど、音楽も文章も頭に全く入ってこない。 立ち上がると頭がクラクラきて、結局、何もしないで寝ているのが一番いい。 微睡みから覚めて暫くするとまた眠るといったことを何度も繰り返し、 ベッドに横になって目を瞑っていると、今が何時なのか時間の感覚が無くなってくる。 しばらく学校にも行けないから時間を気にする必要もなく、目覚まし時計は押し入れに片付けた。 電気を点けなくても部屋の中が明るいから、今は昼なのだろうとしか分からない。 今日は土曜日で学校が休みだから、せつなは家にいるはず。 横になったまま耳をすますと、家の中は静寂に満ちていて、人の気配は感じられない。 上半身を起こしてベッドの上に座ると、階段を上がってくる音がして、せつなが食事と薬を持ってきた。 食欲は全くないけれど、薬を飲むためには、何かお腹に入れなきゃいけない。 しばらく食事らしい食事を摂っていないあたしのために、せつなが作ってくれたお粥を口に運ぶ。 折角、せつなが作ってくれたんだけど、小さい土鍋の半分を食べるので精いっぱい。 それでも、昨日は全く喉を通らなかったのだから、少しは快復に向かっているといえるのだろうか。 せつなが食べきれなかった食事を片付けて薬を取りだすと、思わずしかめっ面になる。 「この薬苦いから、飲みたくない」 駄々っ子みたいに、せつなを困らせているって自覚はある。 けれど、我儘を言って、少しでも長くせつなをこの部屋に引き留めたい。 今日は学校がお休みでせつなが家にいるっていうのに、全然、あたしの所に来てくれない。 あたしの部屋に来ないのは、病気がうつらないようにということは良く分かっているけど。 「大丈夫、これは苦くないから。だから、口を開けて」 毅然としたせつなの表情に渋々口を開くと、空いた隙間から薬が投げ込まれる。 薬が落ちた所から苦さがじわじわと広がって、瞬く間に口の中全体が苦味に支配された。 味覚が麻痺して食べ物の味なんて全然分からないのに、苦いのだけ感じるのって、どうなんだろう。 やっぱり、薬苦いじゃん。しかも、水もないし。 せつなに抗議しようと口を開きかけたところに、人肌に温くなった水が洪水みたいに口の中に押し寄せてくる。 急に口に入ってきて驚いたけど、待ち望んでいた水だったから、何とか咽ることなく飲み込むことが出来た。 でも、それで終わりじゃなかった。 更に驚いたのは、水より遥かに質量感のあるものが歯と歯の合間を割って、あたしの口に入ってきたこと。 口の中に侵入した何かは、探るように口の隅々に触れて、薬の苦味を消していく。 あたしの口の中にあるのがせつなの舌だと気付いたのは、 キスしてる状態しかありえないほど至近距離に、せつなの顔があったから。 喉の入口の粘膜や舌の裏側、歯と唇の間など、あたしの口の中でせつなの舌が触れなかった所が無いくらい。 味を感じる舌は特に念入りに、舌であたしの舌を掘り起こして自分の唇で挟み、最後は舌を吸い上げる。 仕上げとばかりに、乾燥してひび割れたあたしの唇を舐め、甘い吐息を残してせつなが離れていった。 「せつな・・?」 自分の喉から出たとは思えない変な声、掠れていたのは病気のせいだけじゃない。 「病気、うつっちゃうよ」 「うん。だってラブの病気がうつったら、ずっと、ラブのそばにいられるでしょ?」 「でも、病気になったら、熱が上がったり・・・」 「うん」 薬がだんだん効いてきたのか、舌がもつれてうまく話せない。 「・・・お腹とか、身体が痛くなったりするんだよ」 「うん。分かってる」 「それに・・・」 尚も言い募ろうとすると、完全に薬が効いて、呂律が回らなくなってきた。 それに、猛烈な睡魔に襲われて、瞼が重くなって目を開けていられない。 あたしが寝てしまったと思ったのか、せつなが立ち上がる気配を感じる。 部屋から出て行ってしまうと思ったけれど、乱れた布団を直しただけらしい。 せめてあたしが寝るまでここにいて。 もう言葉にはならなかったけれど、あたしの思いはせつなに伝わったらしい。 ベッドサイドに再び座ったせつなが、あたしの手を取って自分の両手で包み込み、ベッドに肘をつく。 目を覚まして最初に見るのが、せつなの顔でありますように。 そう、願いつつ、あたしは眠りの世界へと漂い込んでいった。 了 ~おまけ~ 握っていた手が力を失って、ラブが眠りに落ちたのが分かった。 何度か様子を見に来た時は寝苦しそうだったのに、薬が効いたのか今は安らかな寝顔をしている。 ラブの顔に近づけると、普段より荒い寝息が私の顔にかかり、微かに薬の匂いがする呼気は熱い。 口の中には同じ薬の苦味が残っている。 ラブが言った通り、ラブの病気が私にうつってしまったかもしれない。 でも、ラブのそばに居られない心の痛みに比べたら、身体の痛みなんか大したことない。 罹患をより確実なものにすべく、ラブの唇にそっと唇を押しあてた。